ストーカー〜忍び寄る影〜


こんなところにはいられない。

早く逃げなくちゃ。

あたしは慌てて荷造りを始めた。

その間も心臓がバクバク音を立て、微かな物音にもビクッとして震えが止まらなかった。

でも、じっとしているのはもっと恐かった。

自分が動いていないと、得体の知れない犯人があたしに近付いてくるような気がして。

部屋の中に侵入者が入り込まないよう、
パソコンが置かれたチェストの引き出しを開け、ガムテープを探した。

あった……。

壊された覗き穴には内側から紙を張り付け、ガムテープで頑丈に止めた。

その間も新聞受けから風が入り込んで、外の気配をより感じ、緊張感が増してきた。

パッと振り向いた先に目についたメロンの段ボール箱。

ニ日前、田舎のおばさんから送られてきたメロンだ。

中身を取り出すと、無造作にそれを引きちぎり、あたしは新聞受けに目隠しをした。