「832円のお返しです」 「あ、すみません」 つい、『すみません』を言ってしまうあたし。 コンビニでも銀行でも、反射的に口走ってしまうのがあたしの癖だ。 チャリーン。 あたしの手から一円玉が滑り落ちた。 「あ、すみません」 メガネ男の太くて短い指が、あたしの掌に触れた。 一気に財布が重くなった。