ぼぉーっと人間観察しているうちに、あたしの順番が回ってきた。 「お待たせしました。おにぎり、温めますか?」 今夜もこの男は、マニュアル通りの応対だった。 「あっ、いいえ。そのままでお願いします」 そして、あたしもいつもと同じように答える。 ピッ、ピッと次々と商品にバーコードが当てられる。 その間、あたしはレジに映る数字を眺めた。