「おまたせー!あいたよ」

満面の笑みで、後ろを振り返った。

和也は少し面倒臭そうな顔をしながら、いつものように家に上がった。

たちまち家主の留守だった真っ暗な部屋にオレンジ色の明かりが灯された。

部屋の中は、長時間閉めきっていたせいか少しムッとしていた。


「あー、マジ疲れた」

荷物を下ろした和也はそう呟くなり、ソファーに傾れ込んだ。

その勢いで、ブルーのストライプのクッションが床に転がった。

「あっ、落ちたよ」

クッションを拾い上げながら、言葉を繋いだ。

「確かに。今日はあちこち店を回ったから歩き疲れたね」

軽く握り締めた拳で、梨花は足腰をトントン叩き始めた。

でも、和也のおかげで可愛いワンピも手に入れたし、予定外のバックも買っちゃったもんね。

疲れなんて、吹き飛んじゃう!
やったね♪えへっ。