「こわ-い!梨花ちゃん、心当たりないんですか?」 隣の部屋の住人、大学生の智美(トモミ)に聞かれてもあたしには思い当たる節がなかった。 あたしだって、怖いよ。 気持ち悪いよ。 泣きたいよ。 でも、本当に身に覚えがないんだもん。 ただ、首を横に振るしかなかった。 気付けば、アパートの住人を始め、近隣の住民など野次馬連中にあたしは囲まれていた。