キャミソールに至っては、ほぼ原型を留めていなかった。
黒く焼け焦げ、炭の臭いが充満した。
ついさっきまで、肌に身に付けていた自分のとは思えなかった。
なんか、見ているだけで気持ち悪くなってきた。
胃の上部からこみ上げてくるのを感じる。
「梨花ちゃんので間違いないわよね?」
恐る恐る大家さんが訊いてきた。
「……はい、あたしので間違いないです」
「いやだね。なんでこんなことが起きたんだろうね。本当に怖い世の中だね。」
両手を交差させた大家さんは何やらブツブツと唱えている。
その小さな身体が、さらに小さくなったように見える。

