そこに見えたのは――。 さっき干したばかりの、といっても寝る前だけど。 夜お風呂に入ってから洗濯するのが、あたしの習慣になっている。 その洗濯物が燃えている。 ううん。 正確には、燃えた跡がある。 炭の残り香とも言うべき、焦げた臭いがぷーんと鼻を掠める。 火を点けたものの、なかなか燃えなかったのか、Tシャツの胸の辺りが片方だけ丸く抉(えぐ)られている。 まるで、乳房を取り去ったかのように。 黒い輪っかができていた。