「外、外。外を見て!」 「外?」 「そう、外よ。梨花ちゃんちのベランダから煙が出てるのよ!」 「……はい?……えっ?」 さっきまで半分くらいしか開いていなかった目が、驚きでパッと見開いた。 ベランダから煙が出てるなんて、どういうこと? 何かに突き動かされるように、あたしは狭い部屋を猛ダッシュで移動し、カーテンをおもいっきり開けた――。