ストーカー〜忍び寄る影〜


深夜3時。

みんなが寝静まった頃、事件は起きた。

あたしは、完全に夢の中にいた。

昨夜は携帯を弄りながら、ネットショッピングをしていた。

「タイムセール」の言葉に踊らせられながら、買い物かごに数点入れたまでは記憶にあるけど、そのあとのことは覚えていない。

携帯を握り締めたまま、知らぬ間に寝てしまっていたようだ。


「家事だー!!」

「起きろー!!」


罵声と玄関をドンドン叩きつける物音でようやく目が覚めた。


煩いなぁ。なんの騒ぎ?

低血圧のあたしは、寝起きがかなり悪い。

和也にも「別人のようだ」と言われるくらい。

Tシャツと短パンで寝ていたあたしは、ボサボサの頭のまま寝呆け眼で玄関のドアを開けた。

ガチャリ。

突然、襲った眩しい光。

あたしは反射的に目を細めた。