気のせいかな? 網戸に誰かいたような気がしたけど。 「梨花、おいで」 「うん」 和也に腰の辺りを捉まれ、再び、和也の大きな胸に抱かれた。 やっぱり、気のせいかな? 気にしない、気にしない。 自分を納得させると、和也の胸から聞こえてくる心音を子守唄にして、あたしは遅い眠りに就いた。