心地よい疲労感に包まれ、和也の腕枕に身を預けているときだった。 網戸に足を向けていたあたしの視線の先で ナニカガ、ウゴイタ。 咄嗟に身体を起こし、暗闇の網戸に顔を近付けてみたけれど、何にも見えない。 唯一、聞こえてくるのは、カサカサと揺れる葉っぱの音だけ。 なんだろう、今の。 「どうかした?」 「えっ、あぁ。何か動いた気がしたんだけど。気のせいみたい」 「そっか」