明かりが消された部屋。 カーテン越しにぼんやりと空に浮かぶ月の明かりだけで、互いの身体を貪り合った。 和也は『梨花の身体を全部見たい』と、いつも明かりを付けたがる。 でも、そんなの恥ずかしいから。 いくら身体を重ねても、やっぱり恥ずかしさは拭えない。 そんなあたしは、いつも小さなライトで我慢してもらう。 今日に限っては、月の明かりだけが頼りだ。 お互いの顔の表情も、顔を近付けないとはっきり分からないから。 苦しそうな表情も。 押し殺したような声も。 それはそれで、興奮材料になった。