アパートの隣に住む高齢の独り暮らしのおばあちゃん・山下さんちの柿の木にぶら下がる、見覚えのあるデニムとピンクの下着。
間違いない!
あれは、あたしのだ。
でも……なんで?
なんで、柿の木なんかにぶら下がっているの?
悪戯にしてもふざけすぎてる。
なんなのよ、これは!
「いったい誰のかしら?あんな派手なデザインは若い子よね?」
「そりゃそうよ!私にはあんな小さなパンティ、どうやったって穿けないわ。もし穿いたりでもしたら、旦那が驚いて腰抜かすわ」
「何言ってるのよ!ああいうのを身に付けた方が旦那も元気になるのよ!年齢を重ねると刺激が大事なんだから」
「あら、やだ!ご馳走さま」
ヒソヒソと話す近所のおばさんたちに混じり、揶揄ともとれる小さな笑い声が聞こえてくる。
みんな他人事だから笑っていられるんだよ。
こんなことって……。

