俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜

翔side
 そして、短い期間で慌ただしく進めてきた挙式の準備も無事に整い、ついに迎えた当日。
 天候も桜の開花も全てが俺たちに味方してくれたように、今日はまさに挙式日和。
 前日まで肌の手入れやらに余念がなかった絆音は、その効果もありいつも以上に髪も肌も爪もつやつやだ。
 着付けの為ホテルに向かい部屋に入ると、そこには見事な衣装が用意させていて、朝から緊張気味だった絆音も「わぁ、素敵!」と笑顔を見せていた。
 この衣装は、昔から堂上家が贔屓にしていた呉服屋が特別に用意してくれたもの。
 急なことだった為、実際に衣装を目にするのは今日が初めてだ。

 それぞれの個室へ入り支度を済ませ待っていると「絆音ちゃんの準備出来たみたいだよ」と類が呼びに来た。
 二人で絆音の部屋へ向かいドアを開けると、そこには白無垢を纏った瞬いほど美しい彼女の姿があった。
 そして俺達に気がつくと、少し恥ずかしそうに微笑む。
 「どう...ですか?」
 「絆音...最高に綺麗だ」
 「本当に!すっごく綺麗だよ!絆音ちゃん」
 「ふふっ、ありがとうございます。翔さんも...とっても素敵です」
 ああ、やっぱり好きだな。この笑顔があれば、俺は他に何もいらない。
 あの事件以来、俺が太陽になって絆音を暖かく包み込んで守ってやりたいなんて思っていたが、それが間違っていた事に今ようやく気がついた。
 絆音こそが、俺にとっての太陽だったんだ。
 その笑顔で、いつも穏やかに俺の心を暖めてくれていた。その暖かさこそ、俺が求めていた幸せだったんだ...
 思わず頬に触れキスしてしまいそうになったが、寸前で思いとどまった。
 「絆音...ありがとう。幸せだ」
 「ふふっ、私もです」
 この瞬間の眩しいほど可愛い最高の笑顔は、きっと一生忘れない。
 これからもこの笑顔だけは、一生俺が守り続けていこう。
 例えどんなに強い突風が吹き荒れようとも、どんな嵐が襲ってこようとも。


 〜END〜