「はい、もしもし。お電話代わりました」
「あっ、淳ちゃん? 亜由美の母です。いきなり、ごめんなさいね」
「いえ、大丈夫です。どうかしましたか?」
「えぇ、それが――…
亜由美がまだ帰ってこないのよ」
「…え?」
亜由美が帰ってない……!?
「淳ちゃん、亜由美が何処にいるか知らないかしら? 淳ちゃんならわかるかと思って」
「亜由美なら…私よりも先に帰ったはずですが…?」
「あら…そうなの? おかしいわねぇ、もう帰ってきてもいい時間なのに……」
「それなら私、携帯で電話してみます」
「そう? 助かるわぁ。ありがとうね、淳ちゃん」
電話を切り、私は部屋にある携帯で亜由美の携帯に電話をかける。



