オレンジの空は今も

「そうだったんだ…」

「バーカ」


宏人がまたあたしに馬鹿と言う。

今度は少し笑いながら。

その隣りで大量の紙袋をさげた妹が同じ顔で笑っている。


…カッコわる。あたし。


「まったく。ものすごいケンマクなんだもんな」

「だって…」

「アイスコーヒーでもいれてくれたら許す」

「あっ。暑いのにごめんっ。上がって」


慌ててふたりを部屋へ入れた。