「今、お兄ちゃんから聞いて」
ミクって娘が続ける。
「あたしです、一緒にいたの」
「・・・・・・」
「あたし今日誕生日で。ずっと欲しかったバッグ、お兄ちゃんが買ってくれるって言ってくれて。たぶん、あのオープンカフェの辺りですよね、由希さんが見たっていうのって」
「そ・・・そうだけど」
「その向かいのビルで買い物してたんです。あまりにも嬉しくてお兄ちゃんの手をとってはしゃいじゃったんです。腕は・・・組んでませんけど」
「へ?」
自分でも呆れるほど間抜けな声しか出てこない。
「ホントですよ。ふふ。安心してください。お兄ちゃんが浮気なんてできませんから」
「はぁ」
その声の向こうで「余計なことは言わなくてもいいっ」って騒ぐ宏人の声がする。
「あはは。すみません由希さん、心配かけちゃって。お兄ちゃんに代わりますね」
可笑しそうに笑うその声が携帯から離れた。
ミクって娘が続ける。
「あたしです、一緒にいたの」
「・・・・・・」
「あたし今日誕生日で。ずっと欲しかったバッグ、お兄ちゃんが買ってくれるって言ってくれて。たぶん、あのオープンカフェの辺りですよね、由希さんが見たっていうのって」
「そ・・・そうだけど」
「その向かいのビルで買い物してたんです。あまりにも嬉しくてお兄ちゃんの手をとってはしゃいじゃったんです。腕は・・・組んでませんけど」
「へ?」
自分でも呆れるほど間抜けな声しか出てこない。
「ホントですよ。ふふ。安心してください。お兄ちゃんが浮気なんてできませんから」
「はぁ」
その声の向こうで「余計なことは言わなくてもいいっ」って騒ぐ宏人の声がする。
「あはは。すみません由希さん、心配かけちゃって。お兄ちゃんに代わりますね」
可笑しそうに笑うその声が携帯から離れた。

