オレンジの空は今も

宏人の右腕が机から離れ、一瞬戸惑うように空中で止まった。


やがて決心をしたように……そっとあたしの髪を撫で、頬に触れる。


左手があたしの右手を柔らかく包み込んで。


淡い月光に照らされた宏人の顔がゆっくりと近づいてくる。


あの、少し大人びた凛々しい顔で。



そっと目を閉じた唇に、

宏人の体温が重なった―――