その瞬間――― どきっ・・・とした。 それはほんの一瞬。 さっきまで大げさに痛がるふりをしていた宏人が真っ直ぐあたしを見ている。 何かをこらえているような瞳。 それはもちろん、傷の痛みではなく、身体の中から込み上げてくるもの。 きゅん・・・・とした。 ――予感がした。