オレンジの空は今も

ゴシゴシ…とまだ薄く汗の残る額をぬぐいながら、加奈の席に「おいしょ」と腰掛けた宏人。

「おっ」と苺ポッキーを見つけ、2本同時に口に運んだ。


「加奈だろ、これ置いってったの」

「うん、そう。加奈」

「あいつ、いっつもお菓子食ってるよな」

「あのね、女の子から甘いものは切り離せないの」


ふーん・・・と今度は3本同時に口に運ぶ宏人の白いYシャツの肘に、赤いシミが滲んでいることに気づいた。