オレンジの空は今も

苺ポッキーを指先に挟んで、机の上に腰掛けて足をぶらつかせ、

さっきからおしゃべりが止まらない加奈の高い声が放課後の教室に響き渡る。


あたしは上の空でそれを聞きながら、すっかり裸になった桜が立ち並ぶ校庭に目をやった。


机に肘を置き、頬づえをつく袖口に入り込む風が、ひんやりと冷たい。