オレンジの空は今も

オレンジ色の空に浮かぶ色とりどりの箱が、行儀よく並んでいる。

その箱が描く円の一ヶ所が、空に滲み、ぽっかりと空いているように見えた。


「じゃーさ、せーので指さそっか」

「え?」



「いくぞ。……せーの!」



「あれ!」



ふたりの声が重なる。


同じ方向に向けられた人さし指の向こうには、

夕日に染められた空と一体化し始めたオレンジの箱があった。