オレンジの空は今も

ジェットコースターに乗るときも、

オレンジジュースを手渡されたときも、

肩が触れるたび、

指先が触れるたび、

笑顔が向けられるたび、

その一つ一つにドキドキした。


久しぶりに楽しいと思える時間を過ごしている気がする。

そして久しぶりに好きかもと思える男の子と出会えたような気がする。

その満ち足りた気持ちが身体から溢れ出て、

夕方を迎える頃には、あたしの笑顔も声も、ごく自然に宏人に向けられていた。