「ああいうの、苦手だったりする?」 入口前にミイラの人形が立っている、いかにもって感じのお化け屋敷を指さして、宏人があたしに聞いた。 「ええ…お化け屋敷? ちょっと苦手かも……」 「しがみついちゃったりする?」 「え?」 「きゃーーっとかって」 「へ?」 「そうなったら、いいなぁって。あはは」 「ぷっ。ヤラシイ」 「それが男の本音ですから」 「もうっ。しがみついたりなんてしませんから」 「残念」 こんなところも、やっぱり男の子だ。 ……かなり素直な。