「宏人はいつもこれだったよね」


コートの右ポケットから取り出した青いラベルの缶コーヒーを、空いた右側にコトリと添える。



あたしと宏人が大学に入ってから見つけた小さな公園。

青々と繁る芝生が中央に広がり、そのほぼ真ん中にこじんまりとした噴水がある。

遊具は青いブランコと、黄色と赤のすべり台、

二人乗りの水色のシーソーだけ。

そのすべてをぐるりと取り囲むように砂利道が敷かれ、木々が側を走っている。


早朝には散歩のお年寄り、日中は子供連れの若い母親、夜は寄り添うカップル……

そんな日常を映し出しながら。