ラブレターなんかもよくもらっていた。

まるで小学生のようだが、加奈の靴入れには毎日のように男子のヘタくそな字で、「加奈さんへ」なんて書かれた封筒が申し訳なさそうに入っていた。


「またあった」

「しかし毎日よくポストみたいに手紙が入ってるわね」

「参ったなぁ」

「ちゃんと読んでるの?全部」

「もちろん」

「でもちっとも男の子の気持ち、成就しないね」

「そうだね」


あはは。なんて笑っちゃって。


こんなにモテるのに。


加奈は男をつくらない。