そんな加奈が、「女子大」の「女子大生」という空気を自分のものにし、

入学して二ヶ月で6歳年上の服飾デザイナーの彼を「恋人」とした。


通学電車で見かけていたという彼は、加奈が言うには「明らかに並みの男じゃない雰囲気」を漂わせていたらしい。

スーツ姿のサラリーマンに混じり、皮パンにTシャツをさらりと合わせ、

クロムハーツのアクセサリーとギャルソンの靴を「いやらしくなく着こなしていた」と、頬をピンク色に輝かせ力説する。

少女マンガのようだった。

瞳の中に星が輝いていた。