加奈を追っていた視線を手元の青い封筒に落とす。 その封筒を見つめたまま、あたしはしばらく動けずにいた。 時折吹き付ける突風が、「由希へ」と書かれた青い封筒を揺らしている。 ――やがて決心がついた。 深く深呼吸をする。 まだ涙で滲むまぶたを手の甲でこすり、ぼやけた視界をいくらかクリアにした。 封をゆっくりと開けると、 幾枚もの白い便箋に、宏人の角ばった文字が並んでいた―――