宏人は――― あたしが目を覚ますのを信じていた。 あたしの命が戻ってくることを、信じていたんだ。 なのに、あたしは・・・ 自分で、その人を裏切ってしまうところだったんだ。 「宏人・・・・」 「由希。生きなきゃダメよ」 「――――」 「宏人が戻ってくると信じてた由希の命よ」 「加奈・・・」 「その手紙にもきっと、宏人の願いが込められてるはずだわ」