「宏人っ! 宏人ーーーーっ!!」 何度も名前を呼んだ。狂いそうだった。 「助けて・・・誰か・・・・・・・」 救ってほしかった。 ここから、 出口の見えないこの暗闇から、 救い出してほしかった。 死にたいんじゃない。 ただ、この気持ちから、 この現実から、 救ってほしかっただけなんだ。 宏人のいない世界なんて辛すぎて。 一人で生きていくにはあまりにも重過ぎて。 あたしはただ、 逃げ出したかっただけなんだ――