「ありがと、宏人」 ペンダントをつけようと首に手をまわしたけれど、かじかんだ手は上手く動かない。 「貸してみ」 宏人が後ろに廻りこむ。 首に触れる宏人の手も冷たくなっていた。 しばらくあたしの髪を揺らしながら首元でくすぐったく動いていた宏人の手が、あたしの肩をポンッと叩いた。 「よし」 「ありがと」 振り向いて、「どう?」と問いかけてみる。 「うん。やっぱり似合う。可愛い」 宏人は、そう言いながらあたしを引き寄せた。 抱きしめる腕がいつもより力強い。