オレンジの空は今も

「おい、由希、見てるって。子供が」


宏人が焦ってあたしの頭をポンとたたく。

でも右手はあたしをしっかりと抱きながら。

宏人だって、ホントは嬉しいくせに。


「えへへ。なんだかすごく気分がいいの」

「恥ずかしいだろー」

「だって嬉しいんだもん」

「とりあえず、メシ、メシ!」


照れる宏人があたしの手をとり、狭い道路をはさんで向こう側のコンビニまで引っ張っていく。

子供があたしたちの背中を首をかしげながら見ていた。