職員室の隣にある生徒会室。
ものすごーく入りずらいと思うのは僕だけだろうか。
隣を見ると仁太も顔が少しひきつっている。
そりゃそうだ。たかが生徒会なのに、扉が重厚な作りになっている上に、なんだか大きい。
窓がないので中が分かりにくい。
この間入った校長室を思い出す。
校長室も窓はなかったが、こんなに重たそうな扉ではなかった。
僕も苦笑しながら言った。
「入るか」
僕たちはノックをしたが、扉が重いので聞こえているのかどうか微妙だ。
そんなことを思ってしばらく立っていたら、仁太が言った。
「ねえ、もしかして、扉の隣にあるインターフォンを押した方がいいんじゃない」
よく見ると仁太の言った通り、インターフォンがある。
少しの間突っ立ていた僕は少し恥ずかしくなりながら、今度はインターフォンを鳴らす。
「はーい、どちら様でしょうか。」
綺麗な女性の声がする。
「1年の佐藤一郎です。本日は生徒会長の空会長にお話しを伺いたく来ました。」
急にアポなしでよかったのだろうかと不安にかけられる。
しばらくすると、インターフォンの向こうから「入って」と声がする。
僕は扉を押す。自動で鍵を開けてれたようだ。
中は校長室や教室とは全然違う作りになっている。
あまりジロジロ見るのはよくないよなと思いながらもみてしまう。
円形になっている広間のような作りは壁に本やパソコン、賞状などが飾られている。
また奥の方には扉が2つある。
そのうちの1つの扉からインターフォンで対応してくれたであろう女性が出てきた。
とても綺麗な女性だ。
「やあ、君が一郎くん?、私を通り越していきなり空くんに話したいなんて随分だね」
笑顔でそんなことを聞いてくる。しかし目は僕ではなく仁太に向いていた。
「いえいえ、僕はただの付き添いで、この人がどうしてもっていうので。」
早速仁太は僕を裏切ったようだ。
僕は慌てて
「いえ、決しててそういうわけでは、ただ、空先輩は以前に野球部のキャプテンをしてらしたと聞いたもので、その時の状況を伺いたくて。」
僕はことの経緯を簡単に話した。
「なるほど、、てっきり、いきなり生徒会に入れてくれとか言う変な奴が来たのかと思った。」
女性は笑顔でショートヘアの髪を掻き上げながら言う。
天使のような笑顔に僕はドキドキしてしまう。
隣を見ると仁太がバツの悪そうな顔をしている。
まあ、図星なのだろう。声に出して言わないだけマシだが。
その女性は言う。
「それで?君は、野球部を作って、甲子園に行くんでしょ。空に何を聞きたいの?
別に君なら空の協力なしでもできそうな気がするけど?」
どういう買いかぶりなのだろう。こんなに綺麗な女性に期待されるとつい緊張してしまう。
「いえ、僕は最短で甲子園に行きます。
それには、過去の練習方法やどのようにして地区予選決勝まで行ったか知る必要があります。
内容によっては野球部強豪校へ転校してでも甲子園に行きたいので。」
まっすぐ目をみて言う。
女性は近づいてきてますます僕と目を合わせてきた。
「君、面白いね!。私、応援するよ!マネージャーになってあげよっか?」
ドキドキが止まらないが僕は余裕ぶっているように見せて言う。
「ありがたいですが、今はまだマネージャーとかは、、、っっつ」
仁太が僕の足を踏んだ。僕が悶絶している間に、
「ぜひ、僕たち、今人数を集めている途中なんです。」
うわずった声が仁太が浮かれていることがよく分かる。
もうひとつ、奥の扉から空会長が出てきた。
写真で見た通り、スポーツマンというよりはインテリ眼鏡をかけたどこかのIT企業の社長みたいな風貌だ。
「おい、玲子、何をしている。」
「あー、空、この方が一郎くん、野球部を作って甲子園に行くんだって。
あんたのこと聞きたい見たいよ。」
玲子さんは、笑顔で爽やかに言う。
空会長はこちらを向いて上から下まで見て言う。
「ほう、君が佐藤一郎か。校長から聞いているよ。なんか食ってかかった1年がいるってな。
で、俺にもう一度野球しようとか誘ってんのか。だったら断るぞ。」
「いえ、そういう訳では。先輩の時の事を色々お伺いしたくて。」
僕は、急いで言う。どうも焦ると早口になるみたいだ。
空先輩はしばらく僕を見つめている。微動だにしない。
負けじと僕もまっすぐ空先輩を見る。
ふいに空先輩が言う。
「いいだろう。学校の良い宣伝になる。ただし、一つ条件がある、私はアドバイスはするが、野球部には入らない。いいな。」
本当にどこかの社長なのではないかと言うくらいに貫禄がある。僕は社長に向かって頷く。
「もちろんです。お話を伺えるのであればそれで十分です。僕なりに考えて、最短で甲子園に行く方法を考えますから。」
空先輩は1冊のノートを取り出して僕によこした。
「これが、私が野球部を作った時の方法だ。私の時は、西村先生に顧問になるよう説得するところから始まった。彼のアドバイスがなかったらとても週1回の練習で地区予選の決勝まで行くことはできなかった。1番効率の良い練習だったと今でも思う。」
「ありがとうございます」
僕はノートを受け取ってパラパラとめくる。日記帳のようだ。○月○日になにをしたかとかどのような練習をしたかなどが書かれいる。
さて、僕の高校生活はここから始まる。まさにプレイボールだ。
転校するにしても8月の編入試験まではどうすることもできない。
だったら自分の力をここで試すのも悪くない。
僕はそう思う。
ものすごーく入りずらいと思うのは僕だけだろうか。
隣を見ると仁太も顔が少しひきつっている。
そりゃそうだ。たかが生徒会なのに、扉が重厚な作りになっている上に、なんだか大きい。
窓がないので中が分かりにくい。
この間入った校長室を思い出す。
校長室も窓はなかったが、こんなに重たそうな扉ではなかった。
僕も苦笑しながら言った。
「入るか」
僕たちはノックをしたが、扉が重いので聞こえているのかどうか微妙だ。
そんなことを思ってしばらく立っていたら、仁太が言った。
「ねえ、もしかして、扉の隣にあるインターフォンを押した方がいいんじゃない」
よく見ると仁太の言った通り、インターフォンがある。
少しの間突っ立ていた僕は少し恥ずかしくなりながら、今度はインターフォンを鳴らす。
「はーい、どちら様でしょうか。」
綺麗な女性の声がする。
「1年の佐藤一郎です。本日は生徒会長の空会長にお話しを伺いたく来ました。」
急にアポなしでよかったのだろうかと不安にかけられる。
しばらくすると、インターフォンの向こうから「入って」と声がする。
僕は扉を押す。自動で鍵を開けてれたようだ。
中は校長室や教室とは全然違う作りになっている。
あまりジロジロ見るのはよくないよなと思いながらもみてしまう。
円形になっている広間のような作りは壁に本やパソコン、賞状などが飾られている。
また奥の方には扉が2つある。
そのうちの1つの扉からインターフォンで対応してくれたであろう女性が出てきた。
とても綺麗な女性だ。
「やあ、君が一郎くん?、私を通り越していきなり空くんに話したいなんて随分だね」
笑顔でそんなことを聞いてくる。しかし目は僕ではなく仁太に向いていた。
「いえいえ、僕はただの付き添いで、この人がどうしてもっていうので。」
早速仁太は僕を裏切ったようだ。
僕は慌てて
「いえ、決しててそういうわけでは、ただ、空先輩は以前に野球部のキャプテンをしてらしたと聞いたもので、その時の状況を伺いたくて。」
僕はことの経緯を簡単に話した。
「なるほど、、てっきり、いきなり生徒会に入れてくれとか言う変な奴が来たのかと思った。」
女性は笑顔でショートヘアの髪を掻き上げながら言う。
天使のような笑顔に僕はドキドキしてしまう。
隣を見ると仁太がバツの悪そうな顔をしている。
まあ、図星なのだろう。声に出して言わないだけマシだが。
その女性は言う。
「それで?君は、野球部を作って、甲子園に行くんでしょ。空に何を聞きたいの?
別に君なら空の協力なしでもできそうな気がするけど?」
どういう買いかぶりなのだろう。こんなに綺麗な女性に期待されるとつい緊張してしまう。
「いえ、僕は最短で甲子園に行きます。
それには、過去の練習方法やどのようにして地区予選決勝まで行ったか知る必要があります。
内容によっては野球部強豪校へ転校してでも甲子園に行きたいので。」
まっすぐ目をみて言う。
女性は近づいてきてますます僕と目を合わせてきた。
「君、面白いね!。私、応援するよ!マネージャーになってあげよっか?」
ドキドキが止まらないが僕は余裕ぶっているように見せて言う。
「ありがたいですが、今はまだマネージャーとかは、、、っっつ」
仁太が僕の足を踏んだ。僕が悶絶している間に、
「ぜひ、僕たち、今人数を集めている途中なんです。」
うわずった声が仁太が浮かれていることがよく分かる。
もうひとつ、奥の扉から空会長が出てきた。
写真で見た通り、スポーツマンというよりはインテリ眼鏡をかけたどこかのIT企業の社長みたいな風貌だ。
「おい、玲子、何をしている。」
「あー、空、この方が一郎くん、野球部を作って甲子園に行くんだって。
あんたのこと聞きたい見たいよ。」
玲子さんは、笑顔で爽やかに言う。
空会長はこちらを向いて上から下まで見て言う。
「ほう、君が佐藤一郎か。校長から聞いているよ。なんか食ってかかった1年がいるってな。
で、俺にもう一度野球しようとか誘ってんのか。だったら断るぞ。」
「いえ、そういう訳では。先輩の時の事を色々お伺いしたくて。」
僕は、急いで言う。どうも焦ると早口になるみたいだ。
空先輩はしばらく僕を見つめている。微動だにしない。
負けじと僕もまっすぐ空先輩を見る。
ふいに空先輩が言う。
「いいだろう。学校の良い宣伝になる。ただし、一つ条件がある、私はアドバイスはするが、野球部には入らない。いいな。」
本当にどこかの社長なのではないかと言うくらいに貫禄がある。僕は社長に向かって頷く。
「もちろんです。お話を伺えるのであればそれで十分です。僕なりに考えて、最短で甲子園に行く方法を考えますから。」
空先輩は1冊のノートを取り出して僕によこした。
「これが、私が野球部を作った時の方法だ。私の時は、西村先生に顧問になるよう説得するところから始まった。彼のアドバイスがなかったらとても週1回の練習で地区予選の決勝まで行くことはできなかった。1番効率の良い練習だったと今でも思う。」
「ありがとうございます」
僕はノートを受け取ってパラパラとめくる。日記帳のようだ。○月○日になにをしたかとかどのような練習をしたかなどが書かれいる。
さて、僕の高校生活はここから始まる。まさにプレイボールだ。
転校するにしても8月の編入試験まではどうすることもできない。
だったら自分の力をここで試すのも悪くない。
僕はそう思う。
