部屋へ戻るとさんちゃんと吾郎がいた。
玲子さんに言われた宿題を思い出し、
僕は早速さんちゃんを野球部に誘勧することにする。
さんちゃんも吾郎もそれぞれの机で勉強をしているようだ。
僕は構わず、さんちゃんの机に近づいて言う。
「さんちゃん、ちょっと話があるんだけど、今宿題だった?大丈夫?」
さんちゃんが机から顔を上げて言う。
「ううん、宿題は終わったし、暇だったから英語の勉強をしていただけさ。
それより、一郎君が僕に声かけてくるなんて、珍しいね。どうした?
何か頼み事でも?」
僕は苦笑いしながら言う。
「いや、実はさ、野球部のメンバーを集めていて、さんちゃんどうかなって思って。」
さんちゃんが困ったような顔をして言う。
「はは、勧誘とは嬉しいけど、僕は遠慮しておこうかな。あんまり野球も上手くないし。」
「そんなことないよ。すでに何人か人を集めているんだけど、素人もいるんだ。」
僕はさっきより熱のこもった言い方をする。
相変わらず困った顔のさんちゃんに僕はもうひと推しする。
「今朝、仁太から野球の問題集が配られたでしょ?
あれに正解した人が名無しだったんだけど、友人の名前にさんちゃんの名前が書いてあって。」
僕は本当のことを言う。
「誰がさんちゃんの名前を書いたか心当たりはないか?」
「おい、部屋で勧誘なんかすんじゃねえ。
お前、同部屋の人をなんだと思ってんだ。全員がお前の味方なんて思ってんじゃねえよ。」
自分の机で勉強してたはずの吾郎がいつの間にかこちらを睨んでいる。
「吾郎、そんな言い方しなくても」
さんちゃんがさらに困った顔をして吾郎に言う。
「ふん、知るか。うるせーんだよ」
そう言って吾郎が乱暴に部屋を出ていく。
「ご、ごめん一郎、悪気があるわけじゃないんだ。
ただ、そういうことだから野球部は遠慮しておくよ。」
そう言ってさんちゃんも部屋を出て行ってしまった。
ふうー、やっぱりダメだったか。
吾郎がいる時に誘うのは良くなかったな。
そう1人で反省する。
よく分からないが、吾郎は良く僕に突っかかってくる。
野球のことになると尚更だ。
僕は仕方なしに先に自分のベッドに入り寝ることにした。
翌朝、僕はいつも通り朝のランニングを終えて部屋で支度をする。
ただしいつもより空気が重苦しい。
いつだって特に話すような仲ではなかったのだが、今日は一段とだ。
原因はおそらく昨日のことだろう。
「おい、汗くせえんだよ。毎朝早朝に起こされるのもたまんねえ。」
吾郎が不意に僕の向かって乱暴に言う。
「それについては悪い、一応、気を遣って静かに出て行っているつもりなんだ。」
僕は謝るが、同時に沸々と怒りも湧いてくる。
どうしたってここまで言われなきゃならないんだ。
態度に出したつもりはなかったが、さんちゃんが間に入ってきた。
「あ、あのさ、2人とも空気悪いよ。吾郎もそこまで強く言う必要はないんじゃないのかな。」
「ああ?んだよ。お前、野球部に入りたきゃ勝手に入れ!
勧誘されてよかったな。この野球バカと一緒なら甲子園にでも行けんじゃねえの。
好きにしろ。」
そう言って吾郎が部屋を出ていく。
「ご、ごめん。助け舟を出すつもりだったんだけど、吾郎を余計に怒らせてしまった。」
さんちゃんが申し訳なさそうに僕に言う。
「いや、構わないさ。確かにあの言い方にはイラっときたし、間に入ってくれていなければ、
僕が怒鳴り返していたさ。」
「ははは、一郎って意外に感情に熱いよね。」
さんちゃんが僕に言う。僕からしたらさんんちゃんがどうしてそんなに大人になれるのか不思議なのだが。
「あのさ、さんちゃん。しつこいの十分承知なんだけど、本当に野球をやってみない?」
僕は最後の臨みをかけて聞いてみる。
さっきまでは困った顔をしていたさんちゃんだったが、
少し考えているような素振りを見せて、僕に言う。
「そうだな。少し考えさせてくれないか。もう少し考える時間がほしいんだ。」
僕もそこまで強制はできないと踏んで言う。
「わかったよ。また答えが出たら教えてくれ。
いい返事を待ってるよ。」
そう言って僕も荷物を持って部屋を出て学校へ向かった。
玲子さんに言われた宿題を思い出し、
僕は早速さんちゃんを野球部に誘勧することにする。
さんちゃんも吾郎もそれぞれの机で勉強をしているようだ。
僕は構わず、さんちゃんの机に近づいて言う。
「さんちゃん、ちょっと話があるんだけど、今宿題だった?大丈夫?」
さんちゃんが机から顔を上げて言う。
「ううん、宿題は終わったし、暇だったから英語の勉強をしていただけさ。
それより、一郎君が僕に声かけてくるなんて、珍しいね。どうした?
何か頼み事でも?」
僕は苦笑いしながら言う。
「いや、実はさ、野球部のメンバーを集めていて、さんちゃんどうかなって思って。」
さんちゃんが困ったような顔をして言う。
「はは、勧誘とは嬉しいけど、僕は遠慮しておこうかな。あんまり野球も上手くないし。」
「そんなことないよ。すでに何人か人を集めているんだけど、素人もいるんだ。」
僕はさっきより熱のこもった言い方をする。
相変わらず困った顔のさんちゃんに僕はもうひと推しする。
「今朝、仁太から野球の問題集が配られたでしょ?
あれに正解した人が名無しだったんだけど、友人の名前にさんちゃんの名前が書いてあって。」
僕は本当のことを言う。
「誰がさんちゃんの名前を書いたか心当たりはないか?」
「おい、部屋で勧誘なんかすんじゃねえ。
お前、同部屋の人をなんだと思ってんだ。全員がお前の味方なんて思ってんじゃねえよ。」
自分の机で勉強してたはずの吾郎がいつの間にかこちらを睨んでいる。
「吾郎、そんな言い方しなくても」
さんちゃんがさらに困った顔をして吾郎に言う。
「ふん、知るか。うるせーんだよ」
そう言って吾郎が乱暴に部屋を出ていく。
「ご、ごめん一郎、悪気があるわけじゃないんだ。
ただ、そういうことだから野球部は遠慮しておくよ。」
そう言ってさんちゃんも部屋を出て行ってしまった。
ふうー、やっぱりダメだったか。
吾郎がいる時に誘うのは良くなかったな。
そう1人で反省する。
よく分からないが、吾郎は良く僕に突っかかってくる。
野球のことになると尚更だ。
僕は仕方なしに先に自分のベッドに入り寝ることにした。
翌朝、僕はいつも通り朝のランニングを終えて部屋で支度をする。
ただしいつもより空気が重苦しい。
いつだって特に話すような仲ではなかったのだが、今日は一段とだ。
原因はおそらく昨日のことだろう。
「おい、汗くせえんだよ。毎朝早朝に起こされるのもたまんねえ。」
吾郎が不意に僕の向かって乱暴に言う。
「それについては悪い、一応、気を遣って静かに出て行っているつもりなんだ。」
僕は謝るが、同時に沸々と怒りも湧いてくる。
どうしたってここまで言われなきゃならないんだ。
態度に出したつもりはなかったが、さんちゃんが間に入ってきた。
「あ、あのさ、2人とも空気悪いよ。吾郎もそこまで強く言う必要はないんじゃないのかな。」
「ああ?んだよ。お前、野球部に入りたきゃ勝手に入れ!
勧誘されてよかったな。この野球バカと一緒なら甲子園にでも行けんじゃねえの。
好きにしろ。」
そう言って吾郎が部屋を出ていく。
「ご、ごめん。助け舟を出すつもりだったんだけど、吾郎を余計に怒らせてしまった。」
さんちゃんが申し訳なさそうに僕に言う。
「いや、構わないさ。確かにあの言い方にはイラっときたし、間に入ってくれていなければ、
僕が怒鳴り返していたさ。」
「ははは、一郎って意外に感情に熱いよね。」
さんちゃんが僕に言う。僕からしたらさんんちゃんがどうしてそんなに大人になれるのか不思議なのだが。
「あのさ、さんちゃん。しつこいの十分承知なんだけど、本当に野球をやってみない?」
僕は最後の臨みをかけて聞いてみる。
さっきまでは困った顔をしていたさんちゃんだったが、
少し考えているような素振りを見せて、僕に言う。
「そうだな。少し考えさせてくれないか。もう少し考える時間がほしいんだ。」
僕もそこまで強制はできないと踏んで言う。
「わかったよ。また答えが出たら教えてくれ。
いい返事を待ってるよ。」
そう言って僕も荷物を持って部屋を出て学校へ向かった。
