聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました


「完了しました」

 光が消失したところで、マルティーナはガラン先生から手を離した。

 ガラン先生は口を半開きにして、右手を握ったり開いたりを繰り返した。
 さすがに学院長は驚いていなかったが、ほかの教師たちからは一斉にどよめきが起こった。
 この奇跡のような現場に立ち会ったのは初めてだったのだろう。

「痛くありません。見た目だけでなく機能面も回復しています」
「今しがた治癒魔法をかける前に手袋をつけていましたが、それは何か特別な効果でもあるのですか?」
 
 ルーカスも気になっていたことを、学院長が訊いてくれた。
 ほかの聖職者たちの中にはつけていた者もいたような気がするが、少なくともヴァレリアはつけていなかった。