「そういえば、『アンダルイドの伝統料理が出ると思ってたんだけど』とかって言ってたな。それ食べてみたかったみたいだよ」
「はあ!?」
ルーカスは声を荒げた。
しかしウーゴはのんびりとした口調で続けた。
「マルティーナさんだけじゃなくて、パウラも楽しみにしてたっぽいんだよなー。魚料理らしいんだけど、ルーカスは食べたことある?」
「……ある」
「それ聞いたら、マルティーナさん羨ましがるんじゃない? あっ、上手いこと口実作って食べさせてあげたら?」
ルーカスはもう何も言えなくなってしまった。
(その機会を逆に奪ってしまったんだが……それにしてもタローロを食べたいとは、一体どういうことだ?)



