聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました




 生徒会長の挨拶と乾杯を合図に、新入生歓迎パーティーは始まった。
 それから少しして、司会の生徒会役員がアナウンスした。

「本日は、ルーカス・フォアトゥーデス・デ・アンダルイド君の計らいにより、王宮より副料理長殿とコックの方々にお越しいただきました。なんと、メイン料理である牛肉のステーキを焼いてくださいます!」

 その瞬間、歓声により中庭全体が揺れるほど、会場は盛り上がった。

 ひっきりなしに教師や上級生が挨拶に来るものだから、マルティーナが会場のどこにいるのか探す暇もなかった。
 それでも確信していた。
 彼女もきっとよろこんでいるはずだと。

(全校生徒の中で1番よろこんでいるのがマルティーナ、なんてこともあるかもしれないな)

 なにしろヴァレリアはタローロが大嫌いだったから──