聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました


「学院の外ではマズいらしいけど、中では学友同士、気楽に呼びあおうってことにしたんだ」
「学友同士……」
「そう。俺たち友達になったんだ」
「友達になりたくて、わざわざあんなふうにウーゴさんのことを連れ出したのかしら……」

 質問というよりは独り言に近かったが、ウーゴはにこにこしながら『うん』と答えた。

「話はそれだけだったの? ほかには?」

 ウーゴの表情は寸分も変わらない。

「まあ、雑談もしたかなー」

 同じにこにこ顔で答えた。

(雑談以外もしてそうだけど、教えてくれるつもりはなさそう)

「脅されたりとかは……」

 ここでようやく貼り付けたような笑顔が剥がれた。

「ない、ない! ルーカスがそんなことするように見えるか?」
「……ええ、正直」
「何があったら、3日目でそこまで印象が悪くなんの? そんなやつじゃないって!」

(ウーゴさんこそ、どうして3日目でそこまで必死に庇うの?)