聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました


 アンダルイドの女子4人は、始めこそマルティーナが話しかけられたことにワクワクしていたが、このときまでには真っ青になっていた。
 ひとりがマルティーナの袖を引っ張った。
 見れば、肩をすぼめている。

「あ、あのねマルティーナ、もう少し言い方を……」

 マルティーナにはそんな気持ちの余裕などなかった。

(言い方もなにも、これ以上話すことなんてないわ)

「失礼します!」
「お、おい! まだ話の途中……」

 マルティーナは、これでもかというほど慇懃無礼に深々と頭を下げた。
 そうして女子寮に向かって再び足を動かし始めた。

 この間、パウラは何が起こったのか把握できずに突っ立っていた。
 しかし、マルティーナのスカートが翻ってパウラの脚に触れたことで我に返った。
 男子のグループに軽く頭だけ下げると、早足でマルティーナのあとを追ってきた。

「マルティーナ! 待ってよー」