「ここから挽回してみせます!」
(と言ってみたまではいいものの、どうやって……)
「そっちのほうも、がんばりなさい」
(もうすぐ後期試験だというのに、がんばるも何も……)
しかし、改めて考えてみれば、ヴァレリアに対する後ろめたさはもうないのだ。
ここから先は、ルーカスとマルティーナだけの関係で、躊躇う理由はどこにも見つからない。
(マルティーナはこの国での未来を見て進んでいる。その邪魔は、彼女の故郷であってもさせない。マルティーナの未来を守って、その未来に僕も必ずいてみせる!)
「大神官との面会の件は、全面的に僕に任せてもらえませんか?」
父親はその言葉を待っていたように、鷹揚に頷いた。
「それでこそ、アンダルイド王国の王子だ。万一のときにはサポートするから、好きなようにやりなさい」



