聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました


「それと、アーロン様がこっそり向けてくる視線に気づいていて、アーロン様の自分に対する気持ちも知っていました」
「なっ!」

(僕が自覚していなかった気持ちを、ヴァレリアは気がついていた!?)

 顔が一気に熱をもつ。

(ここで僕がアーロンだったと告白して、マルティーナは前世ヴァレリアだったはずだと訴えた場合、僕がマルティーナを好きだと言っているも同然になるのか?)

「ですが、アンダルイドに来るまでに神聖魔法の使いすぎで体がボロボロなのを知っていたから、アーロン様はヴァレリアに神聖魔法を使わせてもくれないし」
「はあ?」

(知らない! そんなことは何も聞かされていない)

 アーロンだけが知らなかったとは考え難い。