聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました


「ですが、検証のしようがないので、それについてはとりあえず置いておくとして、今後はこの能力を活かす方向性を探っていきたいと思います。差し当たって、マルティーナさんが所属している園芸部に協力してもらうのはどうでしょうか?」
「それはつまり、私の神聖魔法のことを園芸クラブのメンバーに公表するということですか?」
「そうなります。いつまでも隠しておくこともないでしょう? どのみち……」
「……そうですね」

 マルティーナの顔が曇った。

「問い合わせがあっただけです。今の段階で気を揉むにはやめましょう。ルーボンヌの出方しだいでは、私たちも力になります。そうですよね、ルーカス君?」

 学院長は殊更に明るく振る舞った。

「はい、約束します」
「ほら、こう言ってくれていることですから、まずは園芸部のほうでプロジェクトを立ち上げましょう!」

 マルティーナは不安が払拭できていないようだったが、それでも『はい』と小さく答えた。