聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました




「ルーカス君、ベッドで休んでおいで」

 学院長に肩を叩かれて、はっと目が覚めた。
 ルーカスは椅子に座ったまま眠りこけてしまっていたようだ。

「ええっと……」

 状況が飲み込めなくて、周りを見回した。
 部屋は窓から入る朝日で明るくなっていた。

 マルティーナと視線が交わった。
 マルティーナは目を覚ましていて、上体を起こしていた。

「光が消えている……?」

 マルティーナを覆っていた光は、部屋の中が明るくなったせいで見えないのではなく、消失していた。

「ということは、ルーカス君も何があったのかは見ていないのですね」
「……申し訳ありません」
「いいんです。目撃していたところで、恐らく神聖魔法が関係していることですから、どの道我々には理解できなかったと思います」