聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました


「どうにもならないのか?」
「んー、こればっかりはね。運命を呪うしかないかな」

 パウラもまた、ウーゴと似たような境遇にある。
 パウラの場合は下に妹がふたりいるだけで、しかも魔法が使えるのはパウラのみ。
 優秀な長女が婿を取って家業を継ぎ、妹たちを嫁に出すのが、どう考えても既定路線だ。

(どうにかなるなら、婚約する前に何とかしてたよ。それに……)

「俺の婚約者、優しいいい子なんだ。恋人って感じにはなれなくても、いい家族にはなれると思ってるんだよね」

 パウラに対する感情とは似ても似つかないが、それでも好きではある。
 大事にしたいと思っている。
 そのためにも、不誠実なことをするつもりはない。

「おーい、そんな顔しないでくれよ」

 親からの半ば強制で結んだ婚約なのは相手も同じで、そして彼女もウーゴと同じような考えでいてくれている。

(不幸なことなんて、どこにも見当たらない)