玉響の花霞 弍

のんびりしてたいけど、
筒井さんが出て来る前にクローゼットに
着替えなどを出してハンガーにかけ、
小物や化粧品なども全て一旦出した。


並べられたツインのベッドの両脇に
それぞれのクローゼットがあり、
こういう所もオシャレで素敵に感じる


筒井さんもこの方が荷物を出しやすいと
思うし、この配慮はありがたいな‥‥


『片付け終わったならお前も
　入っておいで。』


「あっ、はい。
　ありがとうございます。」


濃紺の浴衣姿にラフに下された髪型が
また格好良すぎて直視出来ない


私ばっかりこんなにもドキドキして
るのに対して、筒井さんは相変わらず
のポーカーフェイスで余裕があり、
1人で空回りしてしまいそうだ。


淡い桜色の浴衣を手に取り、
スキンケア用品やお風呂セットと共に
温泉に向かうと、あまりの気持ちよさに
さっきまでの緊張も解れてリラックス
出来てしまう


外の露天風呂はまた夜か明日にでも
入れるから、さっと髪や体を洗って
から筒井さんの元へ向かった。


「お待たせしました。」


『おいで‥喉が乾いただろう？』


冷蔵庫からミネラルウォーターを
取り出すとグラスに注いで
私に手渡してくれた。


「ありがとうございます。
　温泉とても気持ちよかったです。」


グラスのお水を一気に飲み干すと、
もう一度注いでくれ、お水を飲む
私の方に伸びてきた手が髪の毛を
一掬いし触れてきた


『髪‥‥伸びたな‥‥』


「また伸ばそうかなと思ってます。
　‥‥おかしいですか？」


鎖骨と胸の間辺りまで伸びた髪は
学生の時までとはいかないけど、
かなり伸びたとは思う


『長いのも似合ってる‥‥』


ﾄｸﾝ


前に、一度どうして髪の毛を切ったのか聞かれたことがあり同じようなことを
確か言ってくれていた気がするけど、
筒井さんは長い方が好きなのかな‥‥


『そろそろマッサージに行くぞ。
　貴重品だけは忘れずにな？』


「はい。」


羽織りを着てから下駄を履き、
本館のリラクゼーションルームに
筒井さんとやってきた。


今までマッサージやエステなんて一度も
やったことがなく、初めてのことで
何気に結構緊張している。



和室の井草の香りが良い部屋に
通されると、筒井さんはヘッドスパと
全身のこりほぐし。私は全身の
アロマトリートメントの予約が
されていたらしい。


『それじゃまた後でな。』


同じ部屋でやるかと思いきや、
私は紙ショーツ1枚になる為、
隣の部屋に移動をした。


アロマを選んでからうつ伏せになると、
部屋が暗くなり、私はあまりの気持ち
良さにあっという間に眠りについた。