ごめんなさい。貴方が好きです。

奏さんと2人で過ごしていると、自分の気持ちを思い知らされる。
私は奏さんのことが大好きだ。この気持ちに嘘をつくことは私にはできない。

「私、奏さんが愛先生と付き合ってるって噂もなくすことができる関係になれたら嬉しいです。」
そう言いかけたところで、奏さんを呼び出す放送が校内に響き渡った。

「あ、ごめん行かないと」
「そうですね」

屋上の扉を開けて階段の踊り場に出ると、さっきまでの温かさはなくなり少しひんやりしていた。
「紗」 「はい」
奏さんに名前を呼ばれて振り向くと、奏さんの顔が近づき、唇が触れた。
「明日楽しみにしておいてね」
「…………はい」
奏さんが居なくなったその場には、唇の感覚と自分の心音が色濃く残っていた。