ごめんなさい。貴方が好きです。

発端

奏さんと海に行き次の日の月曜日。私は奏さんとまた屋上に来ていた。

「相沢のこと解決できてよかった」「俺らも考えないといけないな。」
「なにをですか？」
「これから先長く付き合っていたら相沢以外にも俺らの関係のことがバレたときのこと」
「そうですよね…」「絶対バレないなんてあり得ないですし…」
少しほんの少しだけ、ヒヤッとした。喉が締まる感覚があった。
奏さんから別れると言う言葉が出てくるんじゃないかと思った。

「紗、俺は別れるって選択をとらないから安心して」
「奏さんにはバレバレですね。」
「顔に書いてあったからね」
「そろそろ戻ろうか」
「はい」

屋上のドアに手をかけたとき、いつもより開けやすいような感覚がした。

「屋上のドアって開けにくかったですよね」
「うん、そのはずだけど」「どうしたの？」
「いや、なんでもないです」

このドアが悲惨な出来事の入り口だった。