でも、今の俺の気持ちは少し違った。
俺は今、君に興味をもっている。



『死』に惹かれていた君に。




「なぁ……どうして、死にたいんだ?」

「死にたいわけじゃないわ。……生きる理由がなくなったら、人は死ぬしかないのよ。希望をなくしたら、人は生きていけないの。私はまだ……生きる理由があるから生きてる、それだけ。」

淡々と話をする彼女が少し怖かった。


どこにでもいる女だと思っていた。
あの手首のリストカットの跡をみるまでは。


彼女の生きる理由って、なんだったんだ?
彼女の傷は生きる理由をなくしたから。それなら、彼女は何故、今生きているんだろう?