岬が明衣に真実を告げたら、明衣は泣くだろうか。
でも、それだけでは済まない気がするんだ。


胸騒ぎが収まらない。


明衣に真実を打ち明けて、刑務所に入るのは簡単だ。
でも、そうしたら岬から明衣を守れるやつがいなくなる。

どうしても、明衣のことを守りたい。
サユのことも、放り出せない。

俺はまだ、刑務所に入るわけにはいかない。


「明衣。ごめんな。まだ、言えない。」

お前を手放すことも、切り捨てることも、俺にはもう、できないんだ。