晃太は私の前では我慢していたようだけれど、一人、毎晩泣いていた。

男のくせに情けないなんて思えなかった。


それだけ晃太に愛されていた悦子さんが羨ましかった。




もっと泣いて、それで晃太が少しでも楽になれるならいい。


できれば、私の前でも泣いて欲しい。



弱いあなたでも、なんでもいい。





―傍に、いたい。―


私の中にそんな想いが芽生えるのに時間はかからなかった。